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AI開発で使われるプログラミング言語

AI開発で使われるプログラミング言語

2025年現在、AI(人工知能)開発、特に機械学習や深層学習(ディープラーニング)の分野では、Pythonが圧倒的なデファクトスタンダードとなっています。しかし、用途や目的によっては他の言語も重要な役割を担っています。

以下に、主要な言語とその特徴をまとめました。


1. Python (最も主流)

AI開発のほぼ全ての領域で中心的な役割を果たしています。これからAIプログラミングを始めるなら、まずPythonを学ぶのが最善の選択です。

特徴 詳細
豊富なライブラリとフレームワーク TensorFlowPyTorch: ディープラーニングの2大フレームワーク。<br>・scikit-learn: 機械学習のための総合ライブラリ。<br>・Pandas: データ分析・操作に必須。<br>・NumPy: 高速な数値計算をサポート。<br>これらのエコシステムが非常に成熟しており、最先端の研究から実用的なアプリケーション開発まで幅広く対応できます。
シンプルな文法と高い生産性 コードが読み書きしやすく、初心者でも学びやすいです。アイデアを素早く試作(プロトタイピング)し、検証するサイクルを高速に回せます。
巨大なコミュニティ 世界中の開発者や研究者が利用しているため、学習資料、サンプルコード、Q&Aサイトの情報が非常に豊富です。問題が発生しても解決策を見つけやすいです。
プラットフォームとの親和性 Google ColaboratoryやJupyter Notebookといった対話的な開発環境が充実しており、データ分析やモデルの実験を効率的に進められます。

2. C++

パフォーマンスが最重要視される場面で活躍します。Pythonで書かれたライブラリの多くは、内部の高速な計算処理をC++で実装しています。

用途 詳細
推論エンジンの実行 学習済みのAIモデルをスマートフォンや組み込み機器、自動運転車などのリソースが限られた環境で高速に動かす(推論する)際に使用されます。
パフォーマンスが重要な部分の実装 Pythonライブラリ(TensorFlow, PyTorchなど)のバックエンドや、リアルタイム性が求められるゲームAI、ロボティクスなどで利用されます。
メモリ管理 低レベルなメモリ操作が可能で、処理を極限まで最適化できます。

3. R言語

統計解析とデータ可視化に特化した言語です。学術研究、特に統計学や生物情報学(バイオインフォマティクス)の分野で根強い人気があります。

特徴 詳細
統計解析に特化 豊富な統計モデリング用のパッケージが揃っており、複雑な統計分析を少ないコードで実行できます。
強力なデータ可視化 ggplot2などのライブラリを使えば、高品質で美しいグラフを簡単に作成できます。
アカデミックな利用 多くの研究論文がR言語で実装・検証されており、研究者コミュニティで広く使われています。

4. その他の言語

特定の目的や環境で選択される言語です。

言語 主な用途・特徴
Java / Scala 大規模データ処理: Apache Sparkなどの分散処理基盤と連携し、ビッグデータを扱うエンタープライズシステムで利用されます。<br>・既存システムとの統合: 既にJavaで構築された大規模な業務システムにAI機能を組み込む場合に選択されることがあります。<br>・ライブラリ: Deeplearning4j (DL4J), Tribuoなど。
Julia 科学技術計算: Pythonの書きやすさとC言語並みの実行速度を両立することを目指した新しい言語。<br>・数値計算やシミュレーションの分野で注目されており、将来的にAI分野での利用が拡大する可能性があります。
Rust 安全性とパフォーマンス: C++と同様に高いパフォーマンスを発揮しつつ、メモリ安全性が保証されているため、より堅牢なシステムを構築できます。<br>・高速な推論エンジンや、WebAssembly(Wasm)と組み合わせてブラウザ上でAIを動かす用途で採用が増えています。
JavaScript ブラウザ上でのAI実行TensorFlow.jsなどのライブラリを使い、Webブラウザ上で直接AIモデルを動かすアプリケーション(例: リアルタイムの画像認識など)で使用されます。

まとめ

目的 おすすめの言語
これからAIを学びたい Python (一択と言って良いでしょう)
研究・データ分析・統計 PythonR
高速な推論・組み込みシステム C++Rust
大規模なデータ基盤 JavaScala (Sparkと共に)
Webブラウザ上での実行 JavaScript (TypeScript)

結論として、まずはPythonから始めるのが最も効率的です。AI開発の全体像を掴んだ後、特定の要件(例えば、エッジデバイスでの高速化)に応じてC++やRustなどを学ぶのが良いキャリアパスと言えるでしょう。

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